TOPひだまり便り>25号(平成20年12月号)


 理事長より
 何かと多事多難の施錠でしたこの一年も12月を迎えますが、今年は何ができただろうかと思い返す毎日です。今回は、最近のひだまりの動きをご紹介します。

 「この子の記録」のこと
 今年度は成年後見制度への取り組みを進める中で、重要な資料である子どもの記録をまとめて残す必要性に着目しました。
 いつも必要になるたびに定かでなくなりつつある記憶をたどったり、まとまりの無い資料を探し回ったりして記入するのですが、これではもし親がいなくなったら大事な本人情報が消えてしまいます。
 障害児者の将来を守る父の樹会の生活支援グループと合同で、ひだまり理事会の中で成年後見制度担当理事がチームを組み、子どもの情報を記入していただく「この子の記録」の作成を進めています。
 チームメンバーの平井理事(父の樹会生活支援グループ)に、作成に当たっての思いを寄せていただきました。

 父の樹会が発足して、30年が経過しました。何も無いところからスタートして、先輩方のご努力で組織、活動など大変充実してきました。また多くの仲間や支援者もできました。私たちのなりよりの財産です。それでも苦労や心配事は尽きません。
 その中でも大きな心配の一つは、誰も避けて通れない“親の高齢化”ではないでしょうか。
 昨年“生活環境や後見制度に対するアンケート調査”をしましたが、その中で、両親をなくされた子どもさん、片親になられたご家庭が多くなってきたことがわかりました。そして、これからも増えることは避けられません。しかしながら、具体的な準備をされている方は少ないようです。
 最近、親なき後に備え、成年後見制度の理解、活用などセミナーも開催され、かなり関心が高まってきたように思います。そんな中、今出来る事、今すべきことは、もしもの時、残されたわが子ができるだけ困らないように、その子の個性、健康状態、重要な情報、親の願いなどを整理して残しておくことだと思います。そこで、生活支援グループではひだまりの方々と話し合いながら、“この子の記録”と題して、子どもの大切な情報を整理して残せるように小冊子を作り、年度内に皆さんにお届けする予定です。できるだけ身近なことで、大切なことを記録できるよう工夫したつもりです。
 もしもの時の“親なき後”準備の一歩として、利用していただければと思っています。
                                     生活支援グループ・成年後見担当

 「障害者自立支援法の抜本的見直しをさらに求める緊急集会」に参加しました。
 11月19日(水)の午後、東京の日比谷公園大音楽堂で、「障害児・者支援団体協議会」主催で表題の集会が開催され、障害者関連の多くの団体が参加しました。主催する協議会は日本知的障害者福祉協会(施設事業者の団体です)など計5団体の集合体です。
 主催側発表によれば三千人余が集まり、自立支援法施行以来3年目を迎え、法の附則にある見直しに際して、制度の不備をきちんと改めるよう求める緊急アピールが採択され、3時間近く続いた集会を終えました。国会からも多くの議員が駆けつけ、挨拶のできた議員諸氏が42名、時間が無く名前のみ紹介された議員も21名に及びました。この種の集会は数多くの人が集まり気勢を上げて国に訴えることが大切なので、その目的は果たせたように感じます。
 採択された緊急アピールの内容は長くなりますので省略しますが、これまで多くの場で指摘されてきました支援法の制度と仕組みの諸問題を見直すよう強く求めるものです。
 いつも感じるのですが、メープルリーフのような居宅介護事業者の苦しい経営に対しては、声の小ささによるものでしょうか後回しにされ、未だに何の救済もなされていません。法的見直しの時期を迎え、移動支援事業への反映を大いに期待しているところです。

 PACシンポジウム
「千葉県発、障害がある人の後見支援をこう考える」
〜PACガーディアンズの経験と主張〜

11月22日(土) 千葉駅ビル・ペリエホールにて、PACガーディアンズの主宰で、障害者の後見支援に関する上記のシンポジウムが開催されました。定員200名のところ、当日の参加者は250名を超え、大変な熱気のなかで始まりました。
 まず、PACガーディアンズの活動報告のあと、
   第1シンポジウム「障害のある人の権利擁護と後見支援に何が必要か?」
   第2シンポジウム「日本の権利擁護支援、第一線からの報告」
   第3シンポジウム「千葉県の権利擁護−後見支援とコミュニティフレンドをどう生かすか」
 以上のプログラムに沿って、日本の各地域で先駆的な活動を行う方々からそれぞれの取り組みのポイントの紹介があり、後見利用と権利擁護支援のあり方が検証されました。

 講師陣は、日本と千葉県を代表する権利擁護関係のリーダーたちに、千葉県障害者計画推進室長の横山正博氏、厚生労働省専門官の高原伸幸氏が加わる豪華な顔ぶれで、熱のこもったディスカッションが展開されました。全体を通して流れていたのは、「後見支援」は「生活支援」とシームレスに繋がることが大事…ということで「コミュニティフレンド」についても千葉県の「第三次障害者計画」に「地域の多様な人々との繋がりをつくる」という表現で織り込まれることになりました。
 これからも、ひだまりでは、PACガーディアンズの取り組みや情報をお伝えしていく予定です。


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