TOPひだまり便り>22号(平成20年4月号)


 理事長より
 平成20年も4月に入り新年度を迎え「NPOひだまり」職員一同気持ちを新たにしております。本年度はひだまり自身の体質強化と、現在運営している事業の内容充実を図ることを主眼に進めてまいります。


 20年度の運営方針
○地域生活支援サービス「メープルリーフ」
 障害者自立支援法の施行後の混乱に対する国の見直しは20年度も続く見通しですが、指定障害福祉サービス事業者に対しての見直しは一向に行われず、各事業者とも軒並み経営に苦労しております。また自治体の独自実施事業となった地域生活支援事業(メープルリーフの場合移動支援が対象)も同様です。新年度はこうした苦しい実態を自治体に訴えかけ、施策に反映するよう働きかけることも大事と考えています。

    

○障害児者の将来を守る父の樹会の運営支援
 父の樹会会計業務は決算処理を含む全面実施を行うほか、理事会各グループの事業ごとの運営の受託も順調に軌道に乗っております。これからも会務の円滑な運営に欠かせないひだまりであるよう努めてまいります。

    

○成年後見制度への取り組み
 近年ますます会員の高齢化や片親のご家庭が増加しており、成年後見制度を身近に感じる方が増えていることは、制度に関する講座への参加者数の増え方や熱心さから強く感じられます。本制度への取り組みを主事業とするNPO法人「PACガーディアンズ」の千葉市支部として活動を続ける一方、ひだまりとして講演会開催や広報などを通じて会員への働きかけを行います。さらに親として子どもについて客観的に把握するための取り組みを進めるよう検討を始めます。

    

○就労支援への取り組み
 19年度は障害児者の将来を守る父の樹会との連携で、就労に関するアンケート調査活動の支援を行い、会員子女の就労実態や勤続年数の把握などを実施しました。
 20年度は就労状況の基礎データ作成、及び調査に基づく永年勤続表彰を父の樹会主体でご本人や勤務先に対して行いますが、加えて勤務先に対するご本人就労支援のための活動について検討を開始します。

    

○相談、案内及び広報
 これからも父の樹会の各種窓口として相談センター的機能を備え、各種案内パンフレット類も取り揃えます。ひだまりホームページも随時更新し案内機能の役割も果たせるよう務めます。相談ごとあればお気軽に声を掛けてください。

    


 成年後見制度実践講座を開催しました。
 3月8日(土)に本年度2回目の研修を長沼原勤労市民プラザで開催しました。講師としてPACガーディアンズ理事で社会福祉士の小川裕二氏をお招きし、当日は20名の方が参加されました。小川講師は後見人や補助人等を10件ほど受任されており、今回の講座では、実際に後見人になる場合の家庭裁判所への手続きや書類の記入方法、医師の診断書作成依頼やその費用等について具体的かつ分かり易く、実例を挙げて解説をしていただきました。簡単ですが当日の講座の一部を紹介します。


◆成年後見人は何をするの?
 本人に代わり本人の意向を汲んで財産の管理をしたり(どう引き出せるかが問題ですが、後見人の判断は二の次です)、法的な各種契約行為を行います。これを身上監護と言い、介護や世話をすることではありません。ご本人の身の回りの世話は後見人の仕事とはされていません。


◆成年後見人になれる人は?
 親族が受任されるケースが多いようです。望ましいのは財産管理を本人の為に運用してくれる人。ただし決めるのは家庭裁判所です。親が後見人候補者の場合はその子の財産を、家計や他の子に流用しているなどが無い限り申し立てが認められます。後見人候補者が本人の周りにいない場合は空白にして家庭裁判所に依頼することも出来ます。


後は省略しますが、これからもこういった講座を企画してまいりますのでお気軽にご参加ください。


 ・・・いざという時に備えて・・・
   子供の記録ノートを作りませんか? 
 ひだまりでは、親亡き後の子供たちの生活を守るために成年後見のあり方を検討していますが、第三者に障害のある子供を託すために、まず我が子の"覚書”(特徴や育成暦、親の願い等)を書面にして残す必要性が各地で議論されています。
 すでに船橋市の親の会では「親心の記録」という冊子を作成し、今後の活用方法などを検討しているそうです。
その内容は・・・
@ 基本事項 
  (本人、家族、親族、成年後見人の生年月日、住所、連絡先、所属など)

A 年金、手当ての一覧

B 各種保険の加入記録

C 福祉サービス利用状況
 (施設等の利用契約状況、障害福祉サービスの受給関係など)

D 健康管理、病歴、通院の記録
  (かかりつけ医一覧、予防接種歴、既往症、投薬、入院時の対処方法など)

E 財産、生計の予測

F 本人の属性、特徴

以上のような項目になっています。
 親亡き後なんて、まだまだ先のこと・・・と思われるかもしれませんが、成年後見人を指名していない親が突然倒れたり亡くなったりした時に、必要最小限の記録を残しておけば、本人も周りの人も混乱せずに済みます。
 また、記録を作ることで、家族全員が障害のある子供の事を話し合い、共通理解を持つきっかけにもなると思われます。
 ひだまりでは、親の思いを伝える記録として、どのような内容がふさわしいか、それをどのように保管し利用すればよいか・・・等を検討していく予定です。皆様からのご意見をお待ちしております。


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