TOPひだまり便り>第12号

 移送サービスはどうなる?   〜福祉有償運送を阻む壁〜
 政治の世界では、8月8日の国会解散による障害者自立支援法案の廃案・9月11日の衆議院選挙とまさに激動の時代になりました。
 郵政法案は今度こそ承認されるでしょうが、自立支援法案も厚生労働省は臨時国会でサイド提案し、早急な法制化を目指していると言われています。
 当初懸念された18年1月以降の諸事業や来年度予算案作成への深刻な影響は回避される見込みとなりましたが、これからも各地方自治体の対応も含め注意深く見守る必要があります。

 さて今月は「移送サービス」の問題を取り上げます。このサービスは、地域生活支援の事業者などが、乗用車を使って有料で移送・送迎を行うサービスのことです。

 居宅介護で利用する移送サービスの問題点
 今までどおりの移送サービスを続けるためには、以下のような手順が必要となります。

 @昨年3月16日に国土交通省から発表された「ガイドライン」のルールに従い、千葉市(主管部門:保健福祉局高齢障害部高齢福祉課)が現在の公共交通機関では知的障害者などに十分な輸送サービスを確保できないと判断して、NPO法人等が福祉有償運送を出来るように「運営協議会」を設置する。

 A運営協議会は、千葉市・運輸支局・学識経験者・タクシーなどの交通機関代表で構成される。
 協議会でメープルリーフなどの事業者が移送サービス事業を始めることを相談・説明し、それを受けて協議会は判断する。

 B協議会の合意が得られれば、千葉運輸支局に申請し許可を得た後に移送サービスが出来るようになる。(ただし、リフトカーなどの福祉車両が義務付けられる。)

 以上のように、市町村が『移送サービス』の必要性を認識して協議会を立ち上げてくれることが前提条件となります。しかし、それだけでなく、運転者の資格はどうするのか(普通第2種免許の有無)、知的障害者対象なのに高価な車椅子用の福祉車両が必要なのか…など、実現のためにはいろいろな問題が山積みしています。  


 メープルリーフが福祉移送サービスの許可を得るためには
 今までどおりの移送サービスを続けるためには、以下のような手順が必要となります。

 @昨年3月16日に国土交通省から発表された「ガイドライン」のルールに従い、千葉市(主管部門:保健福祉局高齢障害部高齢福祉課)が現在の公共交通機関では知的障害者などに十分な輸送サービスを確保できないと判断して、NPO法人等が福祉有償運送を出来るように「運営協議会」を設置する。

 A運営協議会は、千葉市・運輸支局・学識経験者・タクシーなどの交通機関代表で構成される。
 協議会でメープルリーフなどの事業者が移送サービス事業を始めることを相談・説明し、それを受けて協議会は判断する。

 B協議会の合意が得られれば、千葉運輸支局に申請し許可を得た後に移送サービスが出来るようになる。(ただし、リフトカーなどの福祉車両が義務付けられる。)

 以上のように、市町村が『移送サービス』の必要性を認識して協議会を立ち上げてくれることが前提条件となります。しかし、それだけでなく、運転者の資格はどうするのか(普通第2種免許の有無)、知的障害者対象なのに高価な車椅子用の福祉車両が必要なのか…など、実現のためにはいろいろな問題が山積みしています。  


 メープルリーフの保護者の声
 ひだまり「メープルリーフ」では千葉市の担当者に移送サービスの必要性を理解していただくために、利用者の保護者に意見書を寄せていただきました。その中のいくつかの意見を紹介します。

保護者A
 子供は情緒不安定なときにバスや電車に乗るとパニックが起こりやすく、大声を出したり他の乗客に手を出して迷惑をかけることがあります。タクシーの場合は、狭い空間の中でパニックになれば運転の邪魔になりますし、以前雨の日に汚れた長靴で車内を汚してしまったことがありました。突然てんかん発作が起きれば、不慣れな運転手さんでは対応できないと思います。

保護者B
 母の私は運転が出来ず、体調もしばしば悪くなり、思うように外出させてあげられません。こんなとき、子供の障害をよく理解してくださる方の運転する車での送迎サービスは安心感があり、とても助かります。

保護者C
 メープルリーフから家(八千代市)に帰るためのバスには1時間に1本しかありません。うちの子供は体力がないので、疲れている時・気分が荒れているときは車の利用が安心です。

保護者D
 うちの子供は健常児に比べて頑固で落ち着きがなく不安定なのですが、最近は思春期にさしかかり混乱する場面が多くなりました。移動介護の際にパニックを起こした時、車の利用の場合なら迅速に場面を切り替えたり親元に送ったり出来ますから、パニックを最小限に抑えることが出来ます。バスや電車の場合はそれがかなわず、周りの方だけでなく本人にも大きなダメージになり、それが度重なるうちに外出を嫌がることになりかねません。

保護者E
 情緒面に波がある子供なのですが、ほんの5分、10分でも車で出かけるだけで気分転換が出来て助かっています。毎回タクシーを利用すればかなりの料金になってしまいます。

保護者F
 先日、移動介護を利用して都内に出かけたとき、人身事故のため電車が止まり何度も電車を乗り継いで帰宅したのですが、本人は納得できず、また満員のせいで身動きできず暴れてしまったそうです。障害のある子供にとっては、いつでも公共交通機関を利用するというのは厳しいことだと理解していただきたいです。

保護者G
 車が利用できなければヘルパーさんは移動に時間をとられてしまい、ただでさえ居宅介護のヘルパーさんが足らないのに、支援を必要としている人がますます十分なサービスが受けられなくなるのではないでしょうか?


 ひだまり「メープルリーフ」の対応
 保護者の皆さんの声に代表されるように、移動介護の際の移送サービスは必要不可欠なもので、ひだまり「メープルリーフ」ではぜひ継続すべきであると考えています。そこで田川専務理事を中心に17年度初めから対策を開始し、まず関係資料の収集・検討からはじめ、ほか組織との連携を図りながら他市町村の状況も把握するようにしています。
 7月初旬からは千葉市社会福祉協議会訪問を手始めに、千葉市高齢福祉課・傷害保険福祉課を機会あるごとに訪問し、知的障害児者の移送サービスの必要性から説明し、現在ではかなりの理解を得られたと感じています。

 さらに問題なのは、単に移送サービスの許可を得るだけではリフトカーなどの福祉車両を義務付けられることです。現在所有している乗用車でサービスを行うためにはセダン特区の必要性を千葉市が認め、構造改革特区として国から位置づけられる必要があります。

 これからも運営協議会の設置の要請とあわせて、知的障害を持つ人には乗用車での移送サービスが必要であることを訴えていきます。来年3月まであまり時間がありませんが、ご利用される皆さんのご期待に沿えるようあらゆる努力を尽くしていきます。


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